著者の大條和雄先生は、津軽三味線のルーツを掘り起こした津軽三味線研究の第一人者です。津軽三味線の始祖は仁太坊といわれていますが、これも大條先生が明らかにしたものだそうです。
この本は、これまでの大條先生の研究から、仁太坊の人生と芸の話を中心に、津軽三味線の成立の歴史をまとめたものです。
津軽の盲目の乞食芸人が、最底辺の生活のなかから、あの情念の込もった迫力ある津軽三味線をいかにして作り上げて行ったか、近代日本の歩みと重ね合わせながら、余すところなく書かれています。
大條和雄著『津軽三味線物語 始祖仁太坊』平成16年2月20日、産経新聞社刊、定価510円(税込)
(平成16年3月7日記、管理人)
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