二宮神社本殿

創祀は不詳。

御祭神は大歳神・御歳神・若年神。

天和年間(一六八一~八三)に改築といふ史料が残つてゐるので、創祀はそれ以前。


二宮神社全景

■探訪記

府道494号線の舞鶴若狭自動車道の綾部インターチェンジ近くに鎮座します。二宮会館とゲートボール場の間の高台です。社殿は黒つぽい大きな覆ひ屋に保護されてゐます。

高倉神社と縁がある吉美地区(旧吉美村)の六社の一つです。

H26.10.23記

高倉神社本殿

創祀は養和元年(一一八一)。

御祭神は高倉天一大明神(以仁王)。

以仁王は後白河天皇の第三皇子で、三条高倉の邸宅から高倉宮と称された。治承四年(一一八〇)、令旨を出して源三位頼政らと平氏打倒を試みたが、平家物語に木津川市山城町で平家に討たれたとあり、木津川市の高倉神社に以仁王が祀られてゐる。当社の伝承では、以仁王は頼政の領地のある丹波に落ち延び、御旅所の里宮高倉神社の場所で亡くなり、翌年、現在地に遷してお祀りしたと伝へる。


大地主神社

■探訪記

府道74号線の高倉交差点そばにある高倉公園の少し北に鎮座します。十月の例大祭では、高倉神社と縁のある里宮高倉神社、多田町の天満宮と境内社の三宮神社、有岡町の二宮神社、星原町の星宮神、小呂町の奥宮神社の七社合同で神輿巡幸します。高倉神社と御旅所では地域の小学生などがヒヤソ踊りといふ田楽を奉納しますが、これは以仁王の矢傷を癒し慰めるために住民が「癒さう」「癒さう」と声を掛けながら踊つたのが由来とも言はれてゐます。


高倉神社全景

腹に矢傷を受けられた以仁王は、死して後に腹痛の苦しみから世の人を救ふことを祈願されたとして腹痛の神としても知られてゐます。「天一さんの土用の丑祭」と呼ばれる祭では腹痛にご利益があると言はれるクマザサやお札、はらわた餅などを買ひ求める人で賑はひます。

境内には裏に二本の夫婦杉のある大地主神社、一緒に落ち延びた十二人の従者を祀る十二士神社などが鎮座します。

H26.10.25記

星宮神社本殿

創祀は不詳。

御祭神は五百箇磐石命。

五百箇磐石命は、伊邪那岐命が伊弉那美命の死の原因となつた火之迦具土神を十拳剣で斬つた時に、剣の先から滴り落ちた血が付いた岩が成つた神で、天空に上つて星の神となつたとされてゐる。磐裂神ともいふ。


星宮神社全景

■探訪記

府道494号線の西側に入つたところ、星原町の山麓に鎮座します。五百箇磐石命が星の神であることから、同じく星の神である妙見大菩薩(天之御中主神)の象徴である北斗七星を社紋とし、幟にも北斗七星(破軍星から七星剣が出てゐる文様)が描かれてゐます。町名の星原町も神社から取られてをり、星原・星宮とロマンチックな名前です。高倉神社と縁がある吉美地区の六社の一つです。

H26.10.27記

奥宮神社本殿

創祀は不詳。

御祭神は大山祇命。


奥宮神社全景

■探訪記

府道494号線から一本西の小呂町の集落のある旧道沿ひの小高い丘の上、曹洞宗龍宝寺の隣りに鎮座します。

急で長い石段を昇つて行くと、覆屋の中に三つの社殿が並んでゐます。高倉神社と縁がある吉美地区の六社の一つです。

H26.10.29記

三柱神社本殿

創祀は不詳。

御祭神は宇豆彦命。


三柱神社全景

■探訪記

府道494号線が485号線に合流する場所の手前にある山裾に鎮座します。綾部には何社か三柱神社が鎮座し、宇豆彦命を御祭神としてゐます。

階段を昇ると、杉木立に囲まれて覆屋が建つてゐます。社殿の前には洋風の金属の小さな灯籠が据ゑられてゐました。

H26.11.2記


稲荷神社本殿

創祀は不詳。

御祭神は倉稲魂命。


稲荷神社全景

■探訪記

府道485号線沿ひの山の斜面に鎮座します。左隣りの住宅の方がお祀りされてゐるのでせうか。

社殿の後ろは磐座になつてゐるやうです。

地名の白道路は「はそうじ」と読みます。

H26.11.5記

齋神社本殿

創祀は不詳。

御祭神は武甕槌命。

綾部市域の味方町と下八田町に鎮座する齋神社は経津主命を祀り、山家駅周辺の上原町と下原町に鎮座する齋神社は武甕槌命を祀るが、千葉県の経津主命を祀る香取神宮と茨城県の武甕槌命を祀る鹿島神宮が利根川の両岸にあるやうに、経津主命と武甕槌命は対で祀られることが多く、綾部でも同様に由良川流域の神として対で祀られたと思はれる。


齋神社全景

■探訪記

山家駅から1キロほど綾部方面に行つた山陰線と府道450号との間、下原集落の東の境界に鎮座します。下原は「しもばら」と読みます。

下原の旧村社で、幽暗な雰囲気の村の鎮守です。扁額に斎宮大明神とある本殿は、平成二十年の教育委員会の調査で室町時代中期に建立されたことがわかり、翌年に京都府指定文化財に指定されてゐます。境内の本殿右側に天満宮が鎮座します。

H27.12.4記

齋神社本殿

創祀は不詳。

御祭神は武甕槌命。

綾部市域の味方町と下八田町に鎮座する齋神社は経津主命を祀り、山家駅周辺の上原町と下原町に鎮座する齋神社は武甕槌命を祀つてゐるが、千葉県の経津主命を祀る香取神宮と茨城県の武甕槌命を祀る鹿島神宮が利根川の両岸にあるやうに、経津主命と武甕槌命は対で祀られることが多く、綾部でも同様に由良川流域の神として祀られたと思はれる。


齋神社全景

■探訪記

上原町は山陰線の山家駅がある集落で、上原は「かんばら」と読みます。村の鎮守(旧村社)の齋神社は集落の中ほど、山家駅から京都方向に300メートルほど行つた、山陰線を見下ろす位置に鎮座します。

境内は広く、社殿の周辺には谷川が流れてゐます。本殿の前の狛犬は、角が取れ、苔むしてゐて、かなり古いもののやうです。

H27.12.15記

齋神社本殿

創祀は不詳。

御祭神は不詳。

綾部市域の味方町と下八田町に鎮座する齋神社は経津主命を祀り、山家駅周辺の上原町と下原町に鎮座する齋神社は武甕槌命を祀つてゐることから考へると、地理的な近さから当社は武甕槌命を祀つてゐる可能性が高い。


齋神社全景

■探訪記

下替地町は、由良川の左岸、京丹波町との境界に位置する集落です。下替地は「したのかち」と読みます。齋神社は下替地町の、山陰線に平行して走る府道450号から少し高台を上がつたところに鎮座します。

平成26年に作り直された鳥居脇に、御神木があります。

H27.12.16記

坂牧水天宮本殿

創祀は昭和八年。

御祭神は天御中主命・天神七代。

福岡県久留米市にある水天宮の総本宮より分祀。


坂牧水天宮全景

■探訪記

JR山陰線山家駅から、東綾小・中学校や山家城址などのある由良川の右岸へ架かる山家大橋の袂に鎮座します。

水害や安産の守護神として敬はれてゐます。

H27.12.25記