田植えの終わった青田が一面に広がっていた。やがて、稲が元気よく伸び始める。雑草も伸びる。父が草取り機を押して、母が手で草を抜いた。泥田の中を一歩ずつ這うようにして進む。稲の穂先が顔を刺して痛い。お祖母さんの作ったお握りとお茶を運ぶのは子供の役目だ。「いっぷくしいや」。ほんの短い昼休でも、ほっと生き返る時間なのだ。もう、梅雨明けが近かった。
更新日 平成20年6月19日
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