故郷を出て半世紀以上の歳月が流れた。両親が亡くなった日吉町(旧五ケ荘村字田原)の生家に、今はすでに住む者は居ない。我が家は極めて小規模な農業であり、父は農繁期以外には林業で生計を立てていた。そんな農家で育った私は、小さい頃から誰よりも田畑の手伝いを経験した。それが今でも私自身に染み込んでいるのか、田舎での農作業や日々の暮らしを強く意識するものがある。
まさに、故郷の廃家となった生家へ休日を利用して帰省し、昔の田畑の一部を家庭菜園として楽しんでいる。そして、故郷の現実の生活を“変わったなぁ”いや“変わらないなぁ”と熱い思いで眺めている。
かつて私が暮らした昭和10年代から30年代に見聞きした、「心の中にあるもの」を残して置きたい。そんな気持ちで、あのころの様々な事柄を描き続けていきたい。
更新日 平成20年2月22日
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