関東での「花まつり」は4月8日ですが、西日本地方では一般に5月8日に催されているようです。旧暦では「雛まつり」やお盆の行事も、西の方では4月3日・8月15日と1ヶ月遅れとなっています。
さて「花まつり」が近くなると、近所の子供達も手伝って、タンポポやレンゲの花を籠一杯に摘んできて、寺の奥さん子供達とで、お釈迦さんのお屋根を花で飾ります。
寺では甘茶の葉っぱを摘んで、大釜一杯に振舞いの甘茶を煮出します。甘味に飢えた時代、子供達も家の人もヤカンや水筒を持って、寺に甘茶をいただきに行きました。小さなお釈迦さんに甘茶をかけ、家に持ち帰った甘茶は、家の廻りに少しずつ散きます。虫除け・蛇の侵入・魔物除けになるように祈りの気持ちが入っていたのです。
また同じ5月8日は八日日(ようかび)といって、竹竿の先に藤やつつじの花を結び、泉水の木に結んで高くかかげ、水や団子を供え、天道神(てんとうさん)に、無病息災や豊穣を祈ったのでしょう。花まつりのお釈迦さまと合わせてお祈りしました。
毎日が健康でありたい日々の安寧を願った人々は「お賓頭盧(びんずる)さま」のお身体を撫でさすり、自分が病んでいるところと同じところを撫で病気の治療を願ったので、羅漢さんの漆の赤い色がとれ、無残なお姿でそれでも身近な縁側に出ておいでになります。
子供の頃怖いお顔に見えた「賓頭盧さん」、今はやさしく見えました。
更新日 平成23年4月26日
Copyright(c) H19~ TANBA RAKUICHI. All rights reserved.