廣野文男作品集~思い出の中から・悠久の郷~
絵・文 廣野 文男
キャンディー屋さん
一本5円のアイスキャンディーを振り売りするお兄ちゃんがいた。今でいうアルバイト学生だったのか、田舎の夏の白い街道筋を「キャンデーー、キャンデーー」と大声で叫びながら、その声は、よく遠くからも聞こえた。自転車の荷台には、ペンキで青く塗られた大きな箱と赤い三角の小さな旗が立っていた。
“なかなか買ってはもらえなかったなあ”
それでも時に、5円玉を握りしめ、キャンディー屋さんの後を追った日もありました。
更新日 平成21年7月23日
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