田植えは村の最大行事だった。全戸で協力しなが一斉に行う。父が牛を使って鋤(す)いた田に水を張り、代掻(しろか)きをして田圃を均(なら)す。苗代で育てた稲の苗を母たちが植えて行く。子供らも苗を運んだり、お茶や弁当を届ける手伝いをした。その傍をツバメがかすめて飛ぶ。田圃の水はもう温かい。田植えが終われば、どこからかゲンゴロウやミズスマシがやって来る。そして、蛙が鳴きやがて蛍が飛ぶ。懐かしい田園風景こそもう一度還って来てほしい。
更新日 平成20年5月8日
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