廣野文男作品集~思い出の中から・悠久の郷~
絵・廣野 文男
文・上野 道雄
ぶっちん
稲刈りの終わった田圃は子供の遊び場である。「ぶっちんをやろう」誰かが声を掛けるとたちまち仲間が集まる。先を尖らせた30~40センチの細い小枝を田圃に突き立てる。相手の棒を「ぶっちん!」と跳ね飛ばせば分捕れるのだ。各自が4~5本ずつ持ち寄るのだが、調子の良い日は10本以上の収穫となる。古釘で相手の出口を蜘蛛の巣状に封じ込める「釘刺し」もあった。子供は遊びの天才なのだ。
更新日 平成20年12月17日
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