私の子供の頃は、丹波の地でも大雪の降る日があり、3日、4日と降り続くこともありました。茅葺の屋根にも50cm、60cmも大雪が積り、家中にいるとミシミシと家が鳴り、天井を見上げる時さえありました。
そんな日は、いろり火に背を炙りながら竹篭を作る、藁を打って縄をない米俵や炭俵を編む、ワラジを作る、ノコギリの目立てほか畑仕事や山仕事の道具の手入れや点検をする。雪の日も何かと忙しい父の仕事でした。
野菜は雪を掘って食べていました。
学校へ行く子供達には、村人総出の除雪作業で通学路は確保されましたが、それでも雪道に足をとられながら通ったものです。物資の少ない時代、雪長靴をちゃんと履いている子供は少なかった。
3月に入ってもドカ雪があり、北側の大屋根には未だかなりの大雪が残っています。その雪がドドド……ドスン地響きを立ててすべり落ちました。春の足音です。やがて始まる畑仕事の準備をしながら聞いたそんな生活でした。
更新日 平成22年2月24日
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