JR園部駅から南へ園部第二小学校を左折して細い山道を進むと、徳雲寺本堂の屋根が初めて見える。かつての桧皮葺きが銅版に葺き変えられているとはいえ、塩田山を背にして圧巻。そして、竜宮城を想像させる山門に引き寄せられ、境内へ入れば時間が停止する。
同寺の創建は、600余年を遡る南北朝の至徳2年(1385)。小山城主庄林氏の建立とされる。やがて、江戸時代の園部藩主小出吉親公の菩提寺となり、藩内における曹洞宗の中本山として栄えた。狩野探幽描く小出歴代藩主の姿絵に昔を偲び、御廟所にあった燈籠や大手洗鉢など石造りの名品に過ぎし日が甦る。山蔭に眠る様に佇む名刹へは、人知れず静かに訪れるのがよい。
更新日 平成21年3月21日
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