萱葺き屋根は材料の性質から元々耐久性がある上に、昔は囲炉裏や竃の煙で一段と耐久力が高められた。それに、通気性と断熱性に優れていて、夏は涼しく昔は冷房などはまるで不要だった。ただ、冬場の暖房は囲炉裏だけなので、部屋全体が温まることはない。
それでも、ゆらゆらと立ち昇る煙が梁を伝い、天井を通って煙出しから外へ出て行く光景は、心暖まる家族団欒の原風景ともいえる懐かしい眺めだった。これは、美山町平屋地区に残された民家である。
ただ、萱葺きは寿命が比較的短く、火災にも弱い欠点がある。最近は材料の確保も困難なためトタンなどの金属葺屋根への転換が増えつつあるのも時代の流れか。
更新日 平成21年8月8日
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