著者は南丹市に本社を置く男前豆腐店代表取締役社長。昭和43年(1968)千葉県に生まれ、明治大学経営学部卒業後、シンガポールの貿易会社、築地の水産会社勤務を経て、父親が経営する大手豆腐工場三和豆友食品に入社、商品開発を担当後は平成16年に従来の豆腐の概念を破る「風に吹かれて豆腐屋ジョニー」を世に出し、濃厚な美味しさと斬新なデザインで消費者の心をつかみ、同17年3月に男前豆腐店を設立。同年9月に、男前豆腐店を京都府南丹市に移転し、その後も数々のヒット作を生み出している名物社長です。
著者は経営学を学び、実業畑を歩んできた人ですから、男前豆腐でもマーケティング戦略を十分に念頭に置いて事業展開を図っているのでしょうが、本書を読むと、男前豆腐のユニークなネーミングやパッケージは、教科書的な経営戦略というよりも自分自身の個性や趣味性を押し出すことによって商品の差異化や個性化に成功したものであることがわかります。その源泉は著者のダサかっこいいものへの愛着です。著者は著者の一世代前の浮谷東次郎や矢沢永吉の本に影響を受けたと言いますが、このダサかっこよさとは日本が高度消費社会化する以前の不良少年が持っていた硬派的・バンカラ的な美学です。
自分が美味しい、面白いと思うセンスを信じて商品を打ち出し、それがブログやSNSなどネットの口コミによってヒットするという、まさにIT時代の豆腐屋稼業に成功した経営者の方法論や人間像が伝わる一冊です。
更新日 平成20年5月12日
園部町の地域や家庭に代々受け継がれてきた伝統行事とそれに伴う行事食を紹介した小冊子。昭和30年に園部町と摩気村・西本梅村が合併して新生園部町になった35周年記念事業として出されたもので、当時の野中一二三町長が言葉を寄せている。
本書を読むと、昔の生活が社寺の祭や農作業にまつわる行事と一体のものであったことがよくわかる。
更新日 平成20年5月13日
美山で生まれ、伝承されてきた郷土料理を、おばあちゃんたちから教わって採録したレシピ集。わさびならば芦生熊野権現のわさび祭り、さばめしならば木梨軽皇子ゆかりの大内奥庵祭りなど、料理と関わる美山の伝承や民俗行事にも言及されていて、食文化を媒介にした郷土史としても読むことができる。栃餅・大内蕪・山菜・渓流魚など、自然豊かな美山ならではの食材を使った貴重な料理が紹介されている。
装丁の大内蕪の絵は美山在住の染色作家新道弘之によるもの。
更新日 平成20年5月15日
八木町内の5つの農村女性グループが参加して作られた伝統料理と八木町の特産品を使った料理のレシピ集。
1月から12月までの暦に合わせて、季節ごとのメニューを紹介している。口丹波で身近に入手できる食材を使って簡単に作れる美味しそうなメニューが並んでいるが、八木町の特産品として水菜・九条葱・玉葱・山芋のコーナーがあり、それらを使ったメニューの中には水菜のアイスクリームのような斬新なものもある。
付録として「昔の農家のくらし」という章があり、古老に聞いた農家の食事やおやつなどが紹介されている。
更新日 平成20年5月16日
日吉町食生活改善推進員連絡協議会(日吉町くるみの会)の設立30周年を記念して刊行された郷土の食材を使ったレシピ集。
健康に配慮した長寿料理をコンセプトに選定されていて、カロリー表示も付してある。伝統的な料理も数多く収録されているが、子供たちの嗜好も考慮してチーズや牛乳、カレー粉などを使ったモダンなメニューも取り入れられている。
更新日 平成20年5月17日
管理栄養士で京都短期大学講師の伴みずほ監修による京野菜の壬生菜を使ったレシピ集です。
壬生菜はその名の通り江戸時代から新撰組で有名な壬生で多く作られていましたが、現在の主産地は日吉町です。美味しいだけではなく、カロリー控えめで、栄養は豊富にあるヘルシー野菜でもあります。
サラダ、和え物、焼き物、炒め物、揚げ物、鍋物・汁物、主食そしてデザートの36品目の美味しそうな壬生菜料理が並んでいて、チャレンジしてみたくなる小冊子です。
更新日 平成20年5月19日
昭和50年5月から京都新聞に連載されていた「ふるさとの昔話」全117話から、伝説関係のみ88編を選んで一冊にしたもの。連載時には地域の小学生の描いたカットが掲載されていたが、それも掲載されているとともに、単行本化に当たって新たに写真が加えられている。
南丹市域からは八木の筏森神社、園部の十倉長者、日吉の猿楽梅若、美山の頭巾山など11編が収録されている。
更新日 平成20年5月22日
著者は昭和14年東京生まれ、早稲田大学卒業後、京都市歴史資料館に勤務し(のちに館長)、主に京都の芸能についての研究を行なってきた芸能史家です。京都市に本部を置く藝能史研究会の代表も務めています。
本書は中世芸能史を、芸能民の社会的経済的な状態から解明しようとした論文集です。そのうちの一編「丹波猿楽日吉大夫考」は、南丹市域に関わる中世芸能をテーマにした論文です。猿楽とは平安時代から室町時代に流行した芸能で、大雑把に言うと能楽の前身となった芸能です。猿楽では大和四座が有名ですが、中世の丹波もまた猿楽が盛んな地域で、丹波猿楽三座がありました。そのうち、現在の南丹市日吉町殿田に本拠を置いていた梅若座(その後、観世流に合流して観世流梅若家となる)、亀岡市矢田に本拠を置いていた矢田座は根拠地がはっきりしていますが、日吉座については定かではありませんでした。著者はそれを吉富庄(現在の南丹市八木町と旧北桑田郡の一部を含む地域)、なかでも八木町室河原と比定しています。これはまだ定説とは言えないようですが、丹波猿楽三座のうち二座までが南丹市域に存在したとすれば、芸能史的には言うまでもなく、郷土史としても大変興味深いことです。
更新日 平成20年5月24日
著者は明治42年生まれ、國學院大學国史学科を卒業後、北野天満宮の嘱託として古文書の調査・整理に従事した経歴を持つ歴史学者・神道学者です。本書は天満宮に関して深い造詣を有する著者が、天神信仰の歴史的展開、北野社の社会的経済的な基盤、天神に関する民俗などについて総説した研究書です。
中世において船井庄(園部の一部)十一ヶ村は北野天満宮の寺領でした。本書の第五章「北野宮寺領」の第二項が「丹波国船井庄」で、北野社寺領時代の船井庄の歴史、特に北野社との関わりについて論述されています。その内容の中心は、寺社勢力と土地・年貢・農民を私しようとする武士層の抗争です。北野社と領民の関係は、相対的に見れば保護・被保護の関係であり、室町幕府は北野社側に立って中世的な秩序を守ろうとしていたという状況がわかります。郷土史的にも非常に興味深い本です。
更新日 平成20年5月25日
口丹波地方の郷土史をまとめた小冊子です。
丹波の創世神話、国府、室町・戦国時代の丹波など口丹波の歴史について概説されていますが、八木城研究会会長・内藤ジョアン研究家で八木町議会議長であった著者だけに、八木町のトピックが中心で、八木城、丹波守護代の内藤氏、内藤ジョアンに関する話題に大きな紙数が割かれています。
更新日 平成20年5月26日
南丹ゆかりの人物を紹介
南丹市に関する本を紹介
随筆家上野道雄の連載エッセー
京の名工廣野文男のふるさと画集
歌人石川路子の南丹吟行
墨絵で綴る南丹の風景
南丹の名木を訪ねて
児童文学者広瀬寿子の作品を紹介
南丹の観音霊場を歩く
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