平成4年、旧美山町時代に、京都府の助成金を受けて「茅葺山村歴史の里整備事業」の一環として行なわれた写真展の作品を収めた写真集です。発行のことばに写真展は初めての事業とありますが、平成21年で第13回を迎える「美しい美山の景観写真コンテスト」の前身でしょうか。写真展は町内写真同好会の特別出展及び一般公募作品から成り、写真集にはそのうち一般公募の入選作と特別選考の46点が収録されています。
日本の原風景の一つと言われる美山の美しくも懐かしい景色が、アマチュアならではの愛にあふれた感覚で捉えられた傑作写真集です。
更新日 平成21年3月2日
刊行当時の京都府及び八木町の指定・登録文化財を紹介した小冊子。
内訳は西田の住吉神社、北屋賀の安楽寺などの建造物6件、清源寺・蔭凉寺の木喰物などの美術工芸品8件、住吉神社・荒井神社の文化財環境保全地区2件、西光寺の六歳念仏の無形民俗文化財1件、坊田古墳群の史跡1件の計18件で、文化財の由来や形状などの基本情報が記されている。
更新日 平成1年3月17日
美山の文化財を守る会は有志によって平成2年に発足したグループ。本書は平成13年から三年をかけて知井・平屋・宮島・鶴ヶ岡・大野の各地区から6人ずつの調査チームが調査した美山町の文化財の報告集である。調査した文化財は仏像を中心に450点以上に上り、本書にはそのうち約200点が掲載されている。
取り上げられているのは、仏像・建築・宝篋印塔・鰐口・懸仏・鐘楼・狛犬・絵画・掛け軸・文書、それに無形文化財などで、すべての文化財が写真で紹介されており、それぞれの由来・制作年代・様式・サイズなどの基本情報を中心とした解説が付いている。
更新日 平成21年3月20日
西本梅地区に本拠を置き、るり渓資料館を運営している郷土史研究グループの本梅探友会の創立一周年を記念して作られた本。丹波古道とは京の丹波口から亀岡・園部・篠山を通って山陰へ続く古代山陰道のことで、西本梅地区には古代山陰道の野口駅がありました。この地域には重要文化財の大山祗神社や普済寺、延喜式内社の籔田神社など由緒ある社寺も存在しています。
内容的には、表題の丹波古道に一章が割かれ、その他は西本梅地区の歴史・社寺・民俗・生活・産業・教育などについてまとめた郷土誌です。
更新日 平成21年4月28日
『郷土誌 丹波古道』の続編。前著刊行時に、西本梅地区が誇る名勝るり渓については後日別に一冊を上梓する予定があったそうですが、その計画が約15年を経て実現したのが本書です。
るり渓のある大河内・法京両村の郷土誌、るり渓の見所、植物・生き物・地質・地形などの自然誌、るり渓にまつわるエピソードなどが収録されています。
更新日 平成21年5月8日
著者は日吉町在住の学者・農業指導者。京都大学大学院終了後、京都大学農学部助手などを経て、平成20年まで京都大学フィールド科学教育研究センター講師を勤めながら、日吉町で環境保全型の有機農業を実践してきた人物です。現在は日吉町のガイア自然農法塾を拠点に、有機農業従事者の育成を図っています。
本書は、有機農業による健康で美味しい野菜の作り方を、科学理論と農業実践の両面から説いた本です。有機農業の基本は土を育てることです。有機物が分解され、肥沃な、いわゆる団粒構造の発達した「生きた土」を自然は作り出しますが、著者は気候風土、土壌生物、植物、自然界の化学物質などの生きた土作りに参加するプレイヤーそれぞれの性質をよく知り、肥沃な土になる仕組みを知って、その自然の働きを活かす農業を提唱しています。本書は伝統的農業を科学的に裏付けたものと言えますが、著者は経済効率を至上とする経済思想には批判的ではあるものの、その立場は反科学的なものではなく、科学技術を万能視せずに、その限界と常に反動もあることをわきまえた上で科学技術を使うという理性的なものです。著者の専門は植物栄養学・植物地球化学ということですが、本書を読むと、地球の自然資源の有限性を前提にした環境保全型農業というものがどういうものか、そしてその意義がよくわかります。
現在の日本の農業システムに組み込まれている農家が本書の内容をそのまま実践するのは、現実的に難しいと思います。しかし、農業と環境問題の両方に関心のある人は、読んでおくべき本です。学校で勉強した生物学や化学が生きたものとして使われていて、文章もわかりやすいので、理科好きの中高生にも読んでほしいと思います。
※本書は平成13年に富士通経営研修所から刊行された『ぐうたら農法のすすめ〜省エネ有機農業実践論』を改訂し、内容を大幅に追加したものです。
更新日 平成21年7月25日
本書は『スローでたのしい有機農業コツの科学』の姉妹編になる本。前著が科学的な解説に大きな紙数が割かれていたのに対して、本書は小さな菜園を始めようとする人を対象に野菜作りの実践マニュアルとして書かれています。
農具の選び方や手入れ、畝の作り方、不耕起(耕さずに自然の土壌を利用すること)で生きた土を作る方法などから始まり、エコな肥料の作り方、野草や虫の対策など菜園作り全般にわたり、美味しくて健康な野菜を作ることを目標とする西村式の有機農業のノウハウが公開されています。後半は85種類の作物の育て方が具体的にわかりやすく解説され、これにはそれぞれの楽しい料理のポイントも付記されています。
著者は日本の農作物の自給率の低さという深刻な事態に対して、国民が自分で農業をやって自給力を上げるように訴えています。一昔前ならば、農作物は輸入すればいいと言っていた自由経済の信奉者から古臭い農本主義として嘲笑されていたところでしょうが、農は国の基本ということが切実に理解されるようになっている現在、著者の意見は説得力を持ち始めています。そういう硬い話はともかく、野菜作りにチャレンジしようとする人に気軽に読める一冊です。
※本書は平成18年に出た『おいしく育てる菜園づくりコツの科学』の一部を訂正した新装版です。
更新日 平成21年8月10日
日吉町を拠点に活動している環境保全型有機農業の指導者西村和雄と現代日本料理を代表する京都吉兆の総料理長徳岡邦夫という野菜の達人二人が、生産者と料理人というそれぞれの立場から、美味しい野菜の見分け方を伝授する本です。
一般の消費者が良い野菜を見分けられるように、写真を提示しながら、形・色・つやなどの見た目からの判断基準を示しているところが本書の特徴です。写真は良い例と悪い例が掲載されているのですが、両方ともたしかにスーパーなどで見たことがあるものなので、なるほどこういうものが良く、こういうものがあまり良くない野菜だったのだなと即座に理解できます。ここに書かれていることが野菜選びのすべてではないのでしょうが、消費者にとって非常に参考になることは間違いありません。もちろん、生産者や小売業者にとっても参考になるでしょう。
巻末の対談「おいしい野菜について考えよう」では、土作りを基本とする西村和雄の農業の考え方がわかりやすく語られています。
更新日 平成21年8月12日
園部町城南町にある佛教大学園部キャンパスを造成するに当たって、大学用地に存在していた古墳・遺跡のうち、壺ノ谷窯址群及び桑の内遺跡を発掘調査した報告書である。造成前にすでに埋蔵文化財の存在がわかっていたので、「佛教大学校地(文化財等)調査委員会」「園部校地(文化財等)小委員会」の二つの委員会を作り、平成6年から平成9年にかけて発掘調査がなされたものである。
壺ノ谷窯址群は古墳時代の終わりの6世紀末から奈良時代の始めの8世紀初頭にかけての須恵器の窯址で、19基確認されている。桑の内遺跡は同地に存在する岸ヶ前古墳の被葬者の集落と関連する祭祀址であり、その後、壺ノ谷窯の工人の集落になったのではないかと考えられている遺跡である。本書には両遺跡の写真・図版が多数収録され、詳細な解説文が付されている。
キャンパス造成とともに遺跡はなくなったが、壺ノ谷10号窯はキャンパス内に復元保存された。
更新日 平成21年10月9日
佛教大学園部キャンパスを造成するに当たって、大学用地に存在していた古墳・遺跡のうち、本書は園部岸ヶ前古墳群の発掘調査の報告書である。同じく佛教大学校地の遺跡を発掘調査した『壺ノ谷窯址群・桑の内遺跡発掘調査報告書』と姉妹編をなしている。
岸ヶ前古墳は1号墳と2号墳からなる円墳で、1号墳は測量調査のみでまだ発掘調査されずに残っている。2号墳は造成時に発掘調査されたが、その時に破壊されて現存していない。発掘調査によると、岸ヶ前古墳2号墳は古墳時代中期の5世紀頃の円墳で、4基の埋葬施設からなり、埴輪・鉄刀・鉄剣・甲冑・管玉・勾玉・砥石などが出た。被葬者は明らかではないが、歴史的背景や出土物などから見て、朝鮮半島からの渡来人の関わりが推測されている興味深い古墳である。
※本書には、古墳の発掘調査報告の他に、付論として「生活領域と地域〜京都府船井郡園部町竹井民俗調査報告〜」という考古学の調査とは直接関係のない竹井の摩気神社の氏子圏の変遷の研究が収められている。
更新日 平成21年10月16日
南丹ゆかりの人物を紹介
南丹市に関する本を紹介
随筆家上野道雄の連載エッセー
京の名工廣野文男のふるさと画集
歌人石川路子の南丹吟行
墨絵で綴る南丹の風景
南丹の名木を訪ねて
児童文学者広瀬寿子の作品を紹介
南丹の観音霊場を歩く
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