南丹生活

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木霊巡礼〜Kodama Junrei〜5

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天引八幡神社の大椋

園部町天引の八幡神社境内にある椋(むく)。樹齢は不明だが、樹高約30メートル、幹周りは9メートル以上ある巨木である。

八幡神社の大椋

天引は南丹市の西端に位置する集落である。古くは宿場町として栄えた時代もあった。八幡神社は、南北朝時代の文和3年(1354)に建立された天引の鎮守である。

八幡神社の大椋に関しては、21世紀に入ってから新発見があった。旧園部町の風致林に指定されていた社叢林東側にひときわ大きな木がある。長らくこの木は欅(けやき)として扱われてきた。環境庁の調査でも、それまでは欅とされていた。それが平成14年(2002)4月に、全国巨樹巨木林の会会員の山東智紀・高橋弘両氏をはじめとするメンバー数名が実見し、この木は欅ではないことが判明。メンバーは5月に再調査に訪れ、椋と断定した。欅ならば、立派な大木には違いないが、それほど珍しくはない大きさであるが、椋ならば全国屈指の木(日本2位相当)ということになるという。分子生物学・細胞生物学の研究者でもある山東さんは、学術的にも非常に価値のある木だと述べている。

「全国的に見ても、八幡神社のもののように背が高く、樹勢のよいものは珍しいでしょう。となりがグラウンドで伸び伸びと枝を広げられたのも一つの要因かもしれません。天引地区の方々の誇るべき地域の宝だと思います。今後も温かく見守っていただきたいですね。」(山東さんのメールより)

南丹市(もしくは京都府)としても、天然記念物に指定して大切にして欲しいものである。

八幡神社の風致林 八幡神社の大椋

八幡神社は、京都丹波と兵庫丹波を結ぶ国道372線沿い、琉璃渓の入口にある。天引峠を越えると兵庫県の城下町篠山市である。平成15年に天引トンネルが開通し、園部と篠山との距離がぐんと縮まり、篠山は亀岡と同じような距離感で出かけられる隣町となった。

web山東智紀「日本2位相当のムクノキ確認」

web日原森林館「天引八幡神社の大椋」

map南丹市園部町天引

更新日 平成20年7月29日

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