南丹生活

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第1番札所 鴫尾山九品寺

九品寺大門 九品寺観音堂

御詠歌 ふだらくや九品の寺もとふからず こころの花をうてなとぞしる

九品寺は園部町船阪にある真言宗寺院。弘仁元年(810)、弘法大師の開基と伝える古刹です。白河天皇ゆかりの寺としても知られています。仁王門は鎌倉後期の建築で、重要文化財に指定されています。

観音堂は仁王門をくぐったところから昇る石段の最上部にあります。時代を感じさせるかなり大きな観音堂です。三面千手観音像を本尊とする九品寺は船阪観音とも呼ばれますが、観音堂以外にも境内に観音像が御座します。また、境内には「船井郡三十三所お砂踏一願成就」とあり、船井ごおり三十三ヶ所観音霊場巡礼を九品寺一箇所で済ませることもできるようです。お遍路さんで知られる四国八十八ヶ所霊場のミニチュア的な弘法大師八十八ヶ所霊場という施設もあります。

web九品寺

map南丹市園部町船阪

更新日 平成21年1月21日

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第2番札所 玉寶山龍穏寺

龍穏寺山門 龍穏寺座禅堂

御詠歌 あさ日かげ玉宝山に輝きて くさもこの葉もめぐむみほとけ

龍穏寺は園部町仁江にある曹洞宗寺院。永正6年(1509)に建立された口丹波曹洞宗の名刹で、紅葉の名所としても知られています。

山ふところに抱かれ、禅寺らしく閑寂な雰囲気が漂っています。紅葉の季節には水面が赤々と染まる池を脇に見ながら参道を登り、山門をくぐって左側にある座禅堂が観音堂を兼ねています。

web龍穏寺

map南丹市園部町仁江

更新日 平成21年1月27日

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第3番札所 熊田山観景寺

観景寺山門 観景寺観音堂

御詠歌 観世音おんがく添へて聞こゆらむ 地蔵が池のなみの朝風

観景寺は園部町黒田にある曹洞宗寺院。文明2年(1470)に真言僧某によって創建され、寛永元年(1624)に一度焼失しましたが、正保元年(1644)に森高永之と村民が協力して堂宇を建立し、龍穏寺の春崇和尚が開山となり再建されました。本尊は千手観音です。

黒田は中世の黒田城主森氏が本拠とした土地で、集落東端の山裾にある観景寺やその横から山中に入ったところにある鎮守の熊野神社も、黒田城があった山にあります。観景寺のすぐそばには口丹波地域最古級の黒田古墳もあります。

map南丹市園部町黒田

更新日 平成21年1月31日

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第4番札所 霊樹山玉雲寺

玉雲寺楼門 玉雲寺観音堂

御詠歌 誰もみな仏の誓ひ白滝や 照る日の光たえぬこの山

玉雲寺は船井郡京丹波町市森にある曹洞宗寺院。室町時代の応永23年(1416)、市森城主須知氏によって建立されました。開山は太容梵清禅師です。天正7年(1579)、明智光秀が丹波攻めで市森城を攻略した時に焼失しましたが、翌年、境内地を西南に移して再建されました。園部町の徳雲寺・龍穏寺とともに「船井の三うん寺」と呼ばれますが、本末関係で言うと、徳雲寺・龍穏寺は園部藩にある曹洞宗の本寺ですが、玉雲寺は徳雲寺・龍穏寺の本寺に当たる船井郡の曹洞宗で最も寺格の高い名刹です(玉雲寺のある市森は江戸時代は亀山藩領でした)。

玉雲寺の場所は、園部から観音峠を越え、京都縦貫自動車道丹波ICの付近から琴滝の方に入って行くと、山裾に石垣と楼門・鐘楼などが見えます。本尊は釈迦牟尼仏で、楼門をくぐって左側の観音堂に聖観音像が安置されています。本堂庫裡は天正年間の数少ない建物です。玉雲寺の前を通り過ぎてしばらく行き、渓流沿いの山道を突き当たったところには名勝琴滝があります。琴滝にちなんで、玉雲寺は滝見寺とも呼ばれます。

web冬ほたる

map船井郡京丹波町市森

更新日 平成21年2月4日

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第5番札所 高野山金剛寺

金剛寺山門 金剛寺観音堂

御詠歌 おなしなに月もたかせの山寺や たえぬひかりもつねのともしび

金剛寺は京丹波町須知にある元文3年(1738)創建の曹洞宗寺院。須知は旧山陰道の宿場町で、国道9号線と並行する旧道沿いは江戸時代の面影が残る町並が残っています。須知の中心部にある金剛寺は、外観からは一見寺院とはわからない長屋門風の門構えで、古い町並に溶け込んでいます。漢方薬「はらいたのくすり熊胆木香丸」の赤鬼の看板が掛かっている門をくぐると、境内の小高くなっている場所に観音堂があり、十一面観世音菩薩が祀られています。元々真言宗であったので、観音堂の前には弘法大師像が建っています。

金剛寺の前は坂になっていて、それを登り切ったところに平成12年に廃校になった旧須知小学校があります。昭和初期に創立された学校で、当時の建築様式のままの懐かしい雰囲気と落ち着いた美しさをもつ校舎は、口丹波の貴重な文化遺産です。

map船井郡京丹波町須知

更新日 平成21年2月6日

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第6番札所 清水山西王寺

泉谷寺山門 泉谷寺本堂

御詠歌 さくら咲く清水山の夕栄えに 大悲の光くれなゐの里

西王寺は京丹波町豊田の愛宕山南山麓に伽藍を有していましたが、室町時代に消失した寺院です。その後、同地に樋口信濃守定光の発願、玉雲寺十世太清玄智和尚の開山による曹洞宗寺院の鳳尾山泉谷寺が建立されました。泉谷寺の本尊は如意輪観音ですが、西王寺の十一面千手観世音菩薩立像は後身の泉谷寺で護持されています。観音像は本堂内に安置されており、京丹波町の指定文化財になっています。

船井ごおり三十三ヶ所観音霊場が成立した時にはすでに西王寺は廃寺になっており、泉谷寺が建立されていたと思われますが、この観音様は西王寺のものという意識が存し、古くから泉谷寺で護持していたにも関わらず、第6番札所は西王寺ということになっているのでしょう。

泉谷寺は国道9号線豊田の交差点から府道446号豊田富田線を下山方面に500メートルほど行った、左側の山麓に建っています。曹洞宗の認可参禅道場です。

map船井郡京丹波町豊田

更新日 平成21年2月10日

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第7番札所 圓通山含宝寺(含寶寺)

宇津木寺 含宝寺観音堂

御詠歌 美女ヶ岳まよひをはらすみ佛の 子守勝手のかみ松のかげ

含宝寺は紅井村(京丹波町富田)にあった宝永2年(1705)創建、惟慧道定開山の寺院で、現在は廃寺です。昭和41年に隣接する佛生山宇津木寺に合併され、宇津木寺の境内に観音堂が残っています。観音堂は昭和32年に修復されたもので、元の参道らしきものも残っています。

観音堂を管理する宇津木寺は、嘉禎年間(1235〜1237)に祖久下重光が創建したもので、当初は天台宗でしたが、天文年間(1532〜1554)に玉雲寺三十九世利山正貞和尚によって曹洞宗になりました。境内や裏山などに多くの神社(祠)が祀られているという特徴のあるお寺です。寺宝の絹本著色当麻曼荼羅図・大般若波羅密多経は京丹波町指定文化財になっています。

map船井郡京丹波町富田

更新日 平成21年2月14日

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第8番札所 雲晴山大福光寺

大福光寺本堂 大福光寺多宝塔

御詠歌 補陀落や中晴山にうつります 三十三身の月ぞたへなん

大福光寺は京丹波町下山にある真言宗御室派の寺院。京都鞍馬寺の峰延が延暦年間(782〜805)に開きましたが、丹波にゆかりの深い足利尊氏が帰依して現在地に移転し、以後足利将軍家の祈祷所として崇拝を受けました。本尊は毘沙門天で、この辺りを蕨村と言ったことから蕨の毘沙門さんとも呼ばれます。本堂と多宝塔(塔婆)は国の重要文化財に指定されています。また、寺宝の紙本墨書方丈記は鴨長明の『方丈記』の写本としては最古に属するもので、重要文化財に指定されています(京都国立博物館に寄託)。その他、多数の寺宝を所蔵している名刹です。

JR山陰線下山駅から徒歩20分ほどですが、国道27号線を利用して車で行く方がいいでしょう。大福光寺のすぐそばにはこれも重要文化財に指定されている渡邊家住宅があります。

map船井郡京丹波町下山

更新日 平成21年2月18日

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第9番札所 秀林山龍沢寺(龍澤寺)

龍沢寺観音堂 龍沢寺

御詠歌 行すゑを秀林山といのりきて けむりぞなびく法の胡麻山

龍沢寺は日吉町胡麻にある曹洞宗寺院。創建は寛永16年(1639)、永平寺二十四世の孤峰龍札禅師が来興して、永平寺二十三世の佛山(徳照)秀察禅師を勧請開山とし、自身は二代としました。秀林山龍澤寺という名称は両禅師から秀と龍の一字ずつを取って号したものです。本尊は釈迦牟尼仏。園部藩の曹洞宗の本寺の一つで、日吉町・美山町と旧和知町・旧三和町などに17の末寺を持つ名刹です。

風格のある七地蔵尊が並ぶ正面参道から石段を昇って門をくぐると、左側に観音堂・七福神堂を兼ねた建物があります。七福神堂は宝の道七福神(丹波寿七福神)の福禄寿を祀っています。

map南丹市日吉町胡麻

更新日 平成21年2月22日

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第10番札所 放牛山清水寺

清水寺観音堂 砂防ダム

御詠歌 おい楽の志和賀の寺につくつゑは 弘誓の船のはなれさをかな

清水寺は日吉町志和賀にある曹洞宗寺院です。園部藩の寺社類集によると創建は享保6年(1721)となっていますが、船井郡誌によると延享年間(1744〜1747)に萬国和尚が創建したとあり、いずれにしても江戸中期の創建であることは間違いありません。寺所蔵の古記録「丹波志姓名録(写し)」によると、日吉町の吉田氏の先祖は清水氏と言いましたが、延暦年間に心蔵坊という僧が観音像を背負ってやってきたので、清水氏がその観音様を信仰して観音堂を建てたと伝えています。

現在、砂防ダムの上に観音堂のみが建っており、曹洞宗寺院としては廃寺になっているのではないかと思われます。南北朝初期の宝篋印塔が残り、南丹市指定文化財になっています。

map南丹市日吉町志和賀

更新日 平成21年2月28日

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第11番札所 大法山慈眼寺

慈眼寺 慈眼寺

御詠歌 月よみの神も仏もくもりなき 人のねがひをかなわいわかな

慈眼寺は園部町船岡にある曹洞宗寺院です。現在は廃寺のようですが、墓所は残っていて、会所のような御堂があります。船岡は古くから丹波の材木などを運ぶ大堰川の水運で栄えた町で、慈眼寺はJR船岡駅から3分ほどの町の中にあります。

船岡には御詠歌に詠まれている貞観17年(875)創建の月讀神社や、戦国時代の土豪内藤氏(八木城にいた丹波守護代内藤氏の一族)の藁梨城址などがあり、自然と歴史を楽しみながら散策することができます。

map南丹市園部町船岡

更新日 平成21年3月4日

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