八木町諸畑、諸木山山麓の長閑な谷間にある清源寺。寛徳2年(1045)、天台宗寺院として創立し、文明13年(1481)、曹洞宗寺院として開山した歴史あるお寺です。清源寺は、江戸時代の遊行僧木喰(1718〜1810)の十六羅漢像で有名です。木喰は独特の味わいがある素朴な木彫りの仏像彫刻で知られますが、文化3年(1806)、最晩年の89歳の時に清源寺に滞在し、翌年にかけて28躰の仏像を彫りました。現在、清源寺に十六羅漢像など22躰、同じく諸畑の蔭凉寺に5躰の木喰仏が残っており、南丹市指定文化財になっています。この十六羅漢像は木喰の最高傑作とも言われています。
更新日 平成20年4月25日
八木町船枝の紫雲山山中にある帝釈天を祀る御堂。宝亀11年(780)に和気清麻呂が開創したとされている古刹で、仙洞御所や歴代園部藩主の崇敬を受けてきました。帝釈天とは四天王(多聞天・持国天・増長天・広目天)を従える仏教の守護神で、日本では庚申の日が縁日とされています。
参道口から20分ほどかけて坂道を登り、鬱蒼とした森に囲まれた静かな境内に本堂・鐘楼・鎮守社(八幡神社)・稲荷神社などがあります。現存の本堂は貞享2年(1685)に再建されたもので、京都府指定文化財です。本尊の開帳は数十年に一度行なわれ、最近の開帳は平成4年にありました。脇侍の増長天立像・多聞天立像は南丹市指定文化財です。この多聞天立像(青面金剛毘沙門天像)は丹波寿七福神の一つ、参道の観音堂は船井ごおり西国三十三ヶ所観音霊場の第28番札所で、参道には108基の願いの鐘が並んでいるなど、境内には多くの願い事ポイントがある一大民俗宗教的スポットです。
麓の参道口近くにある福寿寺が寺務所です。参道に願いの鐘を叩く撞木(しゅもく)が用意されていますが、寺務所ではマイ撞木も入手できます。
更新日 平成20年4月28日
日吉町の山中、京都と若狭を結ぶ街道の一つであった海老坂峠にある玉岩地蔵堂。バス停の四ツ谷から、海老谷(えびたん)の集落を抜けて、徒歩で40分ほどの杉木立に囲まれた石垣の上に建っています。貞治2年(1363)の創建とされますが、天平18年(746)という伝承もある古い地蔵堂です。本尊の地蔵菩薩は、若狭の国に生まれ、十八歳の時に人魚の肉を食べて不老不死となったという伝説で知られる八百比丘尼(はっぴゃくびくに・やおびくに)が巡礼の途中に念持仏を安置したと伝えられ、不老不死の比丘尼にあやかって長寿や安産の地蔵尊として信仰されています。本堂の背後には名称の由来でもある大岩があり、大岩をくりぬいた中に地蔵尊が安置され、現本堂はその部分を内部に取り込む形で(大岩が堂内にせり出している形で)江戸中期18世紀前半に建てられたものです。本堂とつながる二階建ての庫裡には舞台・楽屋と桟敷縁があり、秋の彼岸の法要には舞台で芸能が催されたり、それ以外にも芸術家が音楽を奉納したりしています。地蔵尊・本堂・庫裡及び海老坂峠にある宝篋印塔は南丹市指定文化財です。
地蔵堂のすぐそばまで車でも行けますが、海老谷川の清流に沿った海老谷集落から地蔵堂のある海老坂峠までの一体は歴史的自然環境として京都の自然200選にも選ばれている地域なので、海老谷の入口から歩いてみるのもいいでしょう。JR山陰線園部駅とJR山陰線日吉駅から四ツ谷に停まる南丹市営バスが出ています。
更新日 平成20年5月6日
大野ダムの北側にある美山町樫原にある日本最古の民家。昭和42年に府が民家調査を行なった際に慶安5年(1652年)の祈祷札が発見され、昭和48年に創建当初の姿に復元するために解体修理が行われた際には慶安3年(1650)3月11日の墨書が発見されました。年代が明らかな民家では現存最古のものであり、昭和47年5月に国の重要文化財の指定を受けました。旧北桑田郡を中心に丹波東部に分布する北山型民家のもっとも古い形を留(とど)めている貴重な民家です。
石田家は園部藩樫原村上組の庄屋をしばしば務めた家で、大原神社宮座内の地位も高く、この家が建てられた江戸時代初期から村役層であったようです。
春から秋までの土・日に開放されていて、内部も見学できます。屋内にはかまどや古い道具類などもあり、昔の生活を見ることができます。土・日以外でも外観だけは見られます。
更新日 平成20年5月11日
美山町樫原に鎮座する大原神社。創建は大化元年(645)という丹波有数の古社で、旧郷社です。江戸時代には園部藩主代々の祈願所となり、丹波六社の一つともされました。天田郡の大原神社など各地に分霊されているため、元大原とも言います。
本殿と並んで鎮座する摂社川上神社は樫原村の鎮守で、10月に行なわれる川上神社の「からす田楽」は京都府第1号の無形民俗文化財に指定された民俗行事です。
また、大原神社の御神木の大欅は、推定樹齢300年以上、京都の自然200選にも選ばれています。
更新日 平成20年6月7日
南丹ゆかりの人物を紹介
南丹市に関する本を紹介
随筆家上野道雄の連載エッセー
京の名工廣野文男のふるさと画集
歌人石川路子の南丹吟行
墨絵で綴る南丹の風景
南丹の名木を訪ねて
児童文学者広瀬寿子の作品を紹介
南丹の観音霊場を歩く
Copyright(c) H19〜 TANBA RAKUICHI. All rights reserved.